2000年5月8日(月)19:08

スロヴァキアがEU拡大の引き延ばしに警告

ベルリン(合同経済サービス/ AP)

 スロヴァキアのミクラシュ・ズリンダ首相は、欧州連合の拡大をいつまでも引き延ばすことに警鐘を鳴らした。CDU(キリスト教民主同盟)のコンラート・アデナウアー財団主催の会合においてズリンダ首相は月曜日に、引き延ばしは加盟候補諸国にとって「動機を奪い、焦燥をもたらすばかりか、社会的不安定を導きかねない」と述べた。ズリンダ首相は、「候補国にはEU加盟が民主主義と市場経済の発展ならびにEU法の全面的受け入れに向けて強い動機となる。しかしこれは加盟国にとっては容易なことではない。たとえばスロヴァキアは最大限の努力を傾注している」と強調した。

 「加盟候補諸国にとっては『いつまでも加盟という形のご褒美を待たされない』ことが重要である。候補諸国は、加盟に向けた努力がほかならぬ自国の利益になることは承知している。たとえば経済や法制度の近代化の努力はその意味でも行わねばならない。しかしEU早期加盟という展望なくしては万事がずっと遅れることになろう」と語った。

 スロヴァキア首相はEU諸国に、拡大を問題と見ず、チャンスと捉えるよう求めた。「さらなるヨーロッパ統合のプロセスは、経済的、法律的、技術的パラメーター(媒介変数)に限定されてはならない。種々の報告、報道および指示に見られる官僚的口調に対しては、我々が負担を感じる余り、木を見て森を見ずとなることのないよう、配慮を望みたい。本質的な点は、精神的次元をともなうヨーロッパ統一の理念であり、価値をともにする共同体としての、文化的共同体としてのヨーロッパ統一の理念なのである」とズリンダ首相は語った。

原題:Slowakei warnt vor Hinauszoegern der EU-Erweiterung